「画期的な新商品をつくろう」「今までなかった斬新なサービスを」
新しい市場を求めて、会社はこうしたハッパをかけてくる。「画期的」で「斬新」なアイデアが簡単に出てくるわけねぇだろう! と思っている方も多いだろう。
シートを埋めたら、アイデアが生み出され、そのアイデアをビジネスモデルに仕上げることができる。しかも、そのシートを使って、出資を受けるビジネスが続々と誕生している。そんな夢のようなシートがあるとしたらどうだろうか。
自身では不動産事業の立ち上げ・売却を経験し、野村総合研究所で数々の独立起業・社内起業の支援、新商品・新サービスの開発に携わった山口高弘氏は、著書『アイデア・メーカー』の中で、そのシートを紹介している。
本連載では、そのシートの考え方の根幹である「アイデアの作り方」と「ビジネスモデル設計スキル」を、3回に分けて解説してもらう。
前回は、ヒット商品を紹介しながら、イノベーションを起こすにはトレードオフの関係にある複数の不満を一発で解消する必要があることを指摘しました。トレードオフの関係にある不満とは、あるひとつの不満を解消すると、別の不満が出てきてしまうというものです。
「こっちを解消すると、あっちが」「あっちを解消すると、こっちが」というような「やっかいな状態」です。これを解消することは、矛盾する願いをかなえることと言えます。
「なんだ、それならトレードオフの関係にある不満を見つければいいのか」
事は、そんなに簡単ではありません。トレードオフの関係にあるやっかいな不満だからこそ、今まで解消されてこなかったのです。世の中には、解消されていないトレードオフがたくさんあります。
今回は、トレードオフを乗り越えるためのアイデアの作り方を解説していきたいと思います。
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