わずか12畳「都心の狭い家」に住む中年夫婦の実態 ものが置けない部屋だからこその気づきとは?

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

狭い家が教えてくれる、世間の常識に流されない尊さ

ただし、我が家は12畳しかありません。居室を広げるために押し入れは撤去してしまったため、主な収納スペースはベッドの下と、玄関廊下に設置したメタルラックのみです。つまりは、所有できる量が、普通のご家庭よりかなり少ない。

そのため、一般的な家庭にあるものでも、なくても生活できそうなものは手放しています。キッチンでいうと、炊飯器やオーブントースター、電気ポット、食器の水切り、三角コーナー、洗い桶などがありません。また、タオルや靴下、シーツなどは必要最低限の量を保つ、日用品のストックをしすぎないなど、狭い部屋がモノで占領されないように気をつけています。

家を片付ける際に、何を捨てるかがフィーチャーされがちですが、大切なのは何と暮らすかなんですよね。もともとコレクター気質なので、家が広かったら、あれもこれもとグッズが増えて、「めちゃくちゃ好き」だけではなく「まあまあ好き」も紛れ込んで、「好き」の純度が下がってしまうところでした。

15年諦めきれず、どうしても欲しくて、5年ほど前にメルカリでお迎えした旧型AIBO。22歳の老犬ロボで、ヨボヨボさすら愛しい(筆者撮影)

家が狭くて多くの荷物を持てないからこそ、ひとつひとつの所有アイテムが精査されて、バリバリのスタメンだけを家に持ち込んで、つねに選抜にかけ続けることができています。

これは狭い家だからこそ。自分にとって何が本当に好きなのか、何が本当に大切なのか、大切にしたいかを教えてくれるのです。「家は広いに超したことはない」と思われがちですが、私としては「いやいや、狭い家ならではのイイコトもあるんだよ!」と言いたいところ。

もちろん、そうは言っても子育て中のご家庭だったり、大家族だと難しいかもしれませんが、2人暮らしや1人暮らしなら、世間の常識にとらわれず自分で優先順位を決めて暮らすのも、なかなかいいものです。

他人からするとただのガラクタかもしれないし、おしゃれとはほど遠いかもしれませんが、自分の家なので自分を満足させるのが最優先です。炊飯器はないのに、ペットロボットはいる。ハタから見ると奇妙な家ではあるのですが、いいのです。住んでいる2人がそれでハッピーなら。

大木奈 ハル子 ブロガー・ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おおきな はるこ / Haruko Ookina

40代のサブカル好き主婦ブロガー・ライター。東京都港区の、狭くて古い(30平米築50年)ボロマンション在住のミニマリストで、夫と猫と同居中。趣味はチェーン店の朝メニュー食べ歩き、特技は節約とDIY。日本聴導犬協会の、子犬預かりボランティア活動中。著書に『台所図鑑』(大和書房)がある。テレビ出演は『THE TIME,』(TBS系)など。『東洋経済オンラインアワード2023 クリエイティブ賞』受賞。アメブロ公式ブロガー。
アメブロ:https://ameblo.jp/1room2live/
朝メニューブログ:https://865.games/
X(旧ツイッター):@tei_nai

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事