わずか12畳「都心の狭い家」に住む中年夫婦の実態 ものが置けない部屋だからこその気づきとは?

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本連載の第3回で綴ったように、スキルス性胃がんになっても前向きに暮らしている夫。なので私としては「今でも十分に未来に希望を懐いていそうだけどな……」などと思ってしまうところですが、それはさておき、夫は高校時代に憧れたと言う音響機器メーカーSANSUIの小さなステレオ(当時のSANSUIは破産しているため、別会社が製造している)も買いました。理由を聞けば、

「当時のSANSUIは高級オーディオで、とてもじゃないけど手が出なかったから、SANSUIを持ってると思うだけでうれしい」

とのこと。感慨深いものがあるようです。

SANSUIのラジオ。レトロデザインながらCDプレイヤー付き。また、ブルートゥース接続も可能で、大活躍中です(筆者撮影)

夫と言えばそうそう、夫婦が仲良くなるきっかけになった、映画「スター・ウォーズ」のドロイド(ロボット)をモチーフにしたアイテムは特に好んで所有しています。

見た目がかわいいだけでなく、映画のこと、映画をはじめて観た頃の自分のこと、映画の話で盛り上がった恋愛初期の2人のことなど、忘れたくない大切な何かを思い出させてくれる、タイムマシーンでもあります。

自分の原点に立ち戻る、きっかけになる

雑貨屋で気に入ったオブジェを飾るのもいいし、興味のない地名の書いてあるポスターを飾るのもいいけれど、ふとした瞬間に自分の原点に立ち帰れる、自分にとって三つ子の魂にあたるようなものを飾っておくことで、自分の原点に立ち戻るきっかけになるのもいいなと思います。

ドロイドの土鍋。我が家にとって大切にするというのは、しまいこんでコレクションにするのではなく、ガンガン使うことです(筆者撮影)
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