2023年に噴出した「芸能界の闇」今後起こりうる事 旧ジャニーズ、宝塚、歌舞伎界と続いた不祥事
9月7日に旧ジャニーズ事務所が行った記者会見の後、相次いで所属タレントの広告主(スポンサー)の離反が起き、その後、テレビ番組へのタレント起用にまで影響を及ぼすに至って、個人の問題でもなければ、ジャニーズ事務所や芸能界が「特殊な世界」として免罪されるものではないことが露呈した。
9月30日に宝塚歌劇団の団員の転落死が起きたが、死因は自殺で、長時間労働とパワハラが原因であるとも報道され、宝塚歌劇団の組織としての対応のあり方が疑問視されるに至っている。
11月14日に行われた歌劇団側の記者会見では、歌劇団側は長時間労働は認めたものの、パワハラ行為は認めなかった。歌劇団側の主張は、元団員や関係者の事実認識とも矛盾する点が多く、遺族のみならず多くの人々から疑問を呈される状況となっている。
そして、批判の対象は宝塚歌劇団にとどまらず、運営会社の阪急電鉄や、その親会社の阪急阪神HDにも及んでいる。
今年6月に起きた市川猿之助氏の一家心中事件。11月に東京地裁で行われた判決公判では、両親に対する自殺ほう助の罪で、猿之助氏が懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。自殺ほう助と自殺未遂というセンシティブな事件であるだけに、報道合戦は控えられていた気配もあるが、この事件の前には、猿之助氏によるパワハラ、セクハラ行為があったという報道もあった。
ほかにも業界内ではセクハラ報道もあり、歌舞伎界倫理観の欠如が疑問視されるに至っている。
猿之助氏の判決公判の直後には、松竹がコメントを発表したが、「進むべき道を共に模索して参りたいと思います」といった、猿之助氏を支援するような表明がなされたこともネット上で物議を醸した。
こうした芸能・エンターテインメント業界での一連の問題は、一般の人々からは、個々の事象の問題ではなく、芸能界全体に広がっている病理として見なされはじめている。
また、業界と取引のある企業や団体も批判され、責任が求められるようになってきている。
芸能界はどう変わらないとならないのか?
映画監督の北野武氏が11月15日、日本外国特派員協会で新作映画『首』の記者会見を行った際に、一連の芸能界の問題を踏まえて、「今は入れ替え時期。新しい形のエンターテインメントができつつある」との発言を行った。
これまでは、芸能界をはじめ、クリエーティブ性が重視される世界では、常識外れの行動を行うことが許容され、時には賞賛されもしてきた。
しかし、現代においては、芸能界に限らず、特定の業界や人物を、いくら権力や実績があるからといって、特別扱いすることは許されなくなっている。
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