2023年に噴出した「芸能界の闇」今後起こりうる事 旧ジャニーズ、宝塚、歌舞伎界と続いた不祥事
少し早いが、2023年を振り返ってみると、企業や組織の大きな不祥事が目立った1年だった。不祥事は継続的に起こってしまうものだが、今年の特徴としては、トップや組織の問題に起因する不祥事が目立ったという点だ。
とくに、2023年は芸能界の不祥事が多かったが、これまでの芸能界の不祥事は、タレント個人によるものが多く、「芸能スキャンダル」として扱われることが多かった。
ジャニー喜多川氏の性加害問題、宝塚の団員の自殺問題、歌舞伎界の市川猿之助氏の一家心中事件──。これらは、個人が起こした問題にとどまらず、芸能界全体に波及しかねない状況になっている。
芸能界は一連の不祥事にどう向き合うべきなのだろうか? さらに、芸能界と関わり合う業界や取引先企業は、この問題にどう対峙する必要があるのだろうか?
不祥事が「個人の問題」で済ませられない時代に
ジャニー喜多川氏の性加害問題が発覚した当初は、「加害者が死んだから、再発はない」「なぜ個人が起こした問題(しかも本人は亡くなっている)の責任を事務所側が負わなければならないのか?」といった意見も少なからず見られた。
しかし、国連作業部会の報告、および再発防止特別チームの報告を経て以降、「ジャニーズ事務所が責任を果たすべき」という論調が強くなった。
個人が犯した罪であっても、経営者が企業活動の中で起こした問題の責任は、当人のみならず企業も負うべきであることは、企業経営においては当然のこととみなされる。
しかしながら、今回は芸能界という特殊な世界、かつ旧ジャニーズ事務所というさらにその中でも特殊な組織で起こった事件であったためか、企業や組織の問題としてなかなか捉えられなかった側面がある。
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