「私は右脳型、左脳型」語る人に教えたい残念な真実 最近の研究でわかってきた新しい知見を解説

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次は2つめのテスト。次の文章を読んで、あなたに当てはまるものにマルをつけてほしい。

・人の名前より顔のほうが覚えやすい
・「勘が鋭い」と言われたことがある
・誰かが怒っているとき、何も言わなくても顔を見ただけでわかる
・パーティーを計画するときは、細部よりも全体的なことを考える
・計画を立てるより思いつきで行動する
・ボーッとしていると言われることがある
・気が散りやすい
・今ほかのことを考えていた
・芸術作品を見るときは、先に全体を見てから細部を見る
・好奇心から芸術をかじったことがある
・感情に訴える議論ほど信じやすい
・感情的になることが多い
・リスクを恐れない
・何よりも直感を大切にしている
・ものごとを先延ばしにしがちだ
・目で見た方が理解しやすい
・できるなら現実の世界より幻想の世界で暮らしたい
・実生活で出会う人より、架空のキャラクターの方が共感できる
・メモを取るとき落書きをすることが多い
・落ち着きがない
・人にどう思われようと気にしない

結果:マルが10個以上ある人はおめでとう! あなたは論理的な左脳型というより、創造的な右脳型だ。

では聞くが、あなたはこういうテストに意味があると思うだろうか?そうでないことを祈りたい。残念ながら、この手の診断はとても人気が高く、ネット上にもあふれている。そのうちの2つが、今あなたのやったものだ。

「分離脳」の理論が生まれたきっかけ

創造的な人と創造的でない人がいる、という考えは大昔からある。この考えが科学的な裏づけを得たのは1860年代、神経科学者のポール・ブローカとカール・ウェルニッケが、左脳の特定の部位に損傷を受けた人が失語症を発症することを発見したときだ。

この発見をもとに、右脳と左脳が違う働きをするという、「分離脳」の理論が生まれた。

神経心理学者のロジャー・スペリーは、左右の大脳半球をつなぐ、脳梁(のうりょう)と呼ばれる神経繊維の束を切断すれば一部の脳疾患を治療できることを実証し、その功績で1981年にノーベル賞を受賞した。

スペリーはこの知見をもとに、分離脳の性質をさらに解明すべく、さまざまな実験を行った。

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