「私は右脳型、左脳型」語る人に教えたい残念な真実 最近の研究でわかってきた新しい知見を解説

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活動中の脳のMRI画像を見ると、脳は創造的な部位と分析的な部位に分かれてなどいないし、完全に創造的な精神的活動も完全に分析的な精神的活動もないことがわかる(下図)。

※外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

例えば、数学の問題を解く、絵を描く、科学実験をする、歌をつくるといったとき、私たちはつねに脳の全体を使っている。右脳型、左脳型の思考などというものは存在しない。

創造的な人々に共通する人格特性は「好奇心」

神経科学者が2006年に行った研究で、大人と子どもの被験者に3種類の数学の問題を解かせ、その間の脳のMRI画像を分析した。すると被験者が問題を解いている間、脳の右半球と左半球の両方で、神経細胞がクリスマスツリーのように発火していた。

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また、被験者は数学の問題を解いた方法を説明するとき、分析力だけでなく、創造力も同じくらい使っていた。問題解決においては、これらの能力を分けて考えることはできないのだ。

そうはいっても、ずば抜けて創造性が高いように見える人々はたしかに存在する。創造性をもたらしているのが右脳の違いではないとしたら、彼らの何が人と違うのだろう? ゴッホのように、鬱病にかかりやすい人は創造性が高いのだろうか? それとも人気俳優のトム・ハンクスのように、幸福な人が創造的なのか?

研究では、多様な分野の創造的な人々に共通する人格特性が、たった1つだけ特定されている。それは、好奇心が強いことだ。そして好奇心は、意識して身につけることができる。同じことが、創造的な活動をやり遂げるのに必要な、粘り強さについても言える。粘り強さも、意識的に育むことができる。

(翻訳:櫻井祐子)

シーナ・アイエンガー コロンビア大学ビジネススクール教授

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Sheena Iyengar

心理学者。1969年、インド移民の両親のもとカナダで生まれる。3歳で眼の疾患を診断され、10代後半で完全に視力を失う。にもかかわらず普通学校に進学することを選択し、大学進学後は「選択」を研究テーマとする。スタンフォード大学より博士号取得(社会心理学)。経営思想界のノーベル賞と称されるランキング「Thinkers50」に3度にわたり選出。米大統領より卓越した若手研究者に贈られるPresidential Early Career Awardも3度受賞。現在はコロンビア大学ビジネススクールで人気講義THINK BIGGERを開講中。

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