ワインの神様が認めた醸造家、天職との出会い方 「逃げ道」があれば挑戦する恐怖心は和らぐ
昔から好奇心旺盛で、好きなことを見つけては思い切りやってみるタイプでした。思い返せば、15歳の頃に自分のいる世界を窮屈に感じて日本を飛び出し、アメリカの高校に進学。
高校では、勉強が楽しくて仕方がなくて、同年代の女の子たちが恋愛やおしゃれを楽しむ中でひたすらガリ勉。
今度は、海外生活の息抜きに見ていた日本のお笑いに興味を持ち、お笑いの道に進むために演劇が盛んだった早稲田大学に進学し、演劇サークルに所属。
そして大学に入学したと思ったら、醸造家を目指すために中退し、再び渡米……。やりたいと思ったら、居ても立ってもいられなくなっちゃうんですよね。
ワインを造る仕事に魅了されて
そんな私も今は醸造家という仕事に出会い、気付けば22年になります。移り気だった私が天職とも言える醸造家の仕事と出会うきっかけとなったのは、大学2年の夏休み。
早稲田大学でフランス語の講師をしていた先生の呼び掛けで、フランスのボルドー、ブルゴーニュなどを2週間ほど巡る研修旅行に出掛けたんです。
その際に立ち寄った小さなシャトー。ここを経営する老夫婦との出会いが、「醸造家・斎藤まゆ」が生まれるきっかけとなりました。
青々としたブドウ畑で、ほほ笑みながら学生たちにワインを振る舞うご夫婦の姿が本当にすてきで。
その後、みんなでブドウの収穫を手伝う中で、ワインを造る仕事にすっかり魅了されて、心を奪われちゃったんですよね。
帰国後も、ワイン造りに人生をかけてきたおばあちゃんの姿が脳裏から離れませんでした。
私は、あんなおばあちゃんになりたい。そんな思いから、醸造家になるために、大学を中退。カリフォルニア州立大学のワイン醸造学科に進むことにしました。