ワインの神様が認めた醸造家、天職との出会い方 「逃げ道」があれば挑戦する恐怖心は和らぐ
山梨県・甲州市塩山にあるKisvin Winery(キスヴィン・ワイナリー)は、2013年に設立された新興のワイナリーだ。
醸造所は車庫を改修した小さなスペース。そこで働く醸造家の斎藤まゆさんは、ある日、世界中から注目を集めることになる。
全世界に拡散「醸造家・斎藤まゆ」の存在
世界最優秀ソムリエで”ワイン界の神様”の異名を持つジェラール・バッセ氏が、自らのSNSで「才能豊かな醸造家が造ったこのワインは、ユニークでセンセーショナル」とキスヴィンのワインを絶賛したからだ。キスヴィンの名前とともに、「醸造家・斎藤まゆ」の存在も全世界に拡散された。
一躍、一目を置かれる立場になった斎藤さん。ワイン一筋の人生を送ってきたのかと思いきや、意外にも大学時代はお笑い芸人を目指していたという。
お笑いの道を断ち切り、醸造家になるために早稲田大学を中退して単身アメリカに渡った彼女だが、「私は大学やお笑いから逃げただけなんですよ」と笑う。
彼女が醸造家の道へと方向転換したのはなぜだったのか。彼女はいかにして天職と出会ったのだろう。
Kisvin Winery 斎藤まゆさん
1980年生まれ。お笑いの道に進むため、演劇が盛んだった早稲田大学に進学。同大学在学中にワイン醸造家の道へとシフトチェンジし中退。アメリカに渡り、カリフォルニア州立大学ワイン醸造学科に入学。卒業後、成績優秀により同校ワイナリーの醸造アシスタントに抜てき。現地学生の指導にあたる。その後はドメーヌ・ジャン・コレ、ドメーヌ・ティエリ・リシュー(いずれも仏ブルゴーニュ)などで研さんを積み、2007年よりKisvinワイナリー醸造責任者。17年にジェラール・バッセ氏から絶賛されたことをきっかけに、世界から注目を集める醸造家となる。19年、「Kisvin Koshu」がANA国際線ファーストクラスのサービスワインに選ばれる
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