「山ほど働いて経験積みたい」語る人に欠ける視点 「勤務時間だけが学びの場」というわけではない

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特に、昨今のように仕事をするうえで、事業を考えるうえでの前提が短期的に大きく変わるような状況においては、むしろ勤務時間だけが学び、と捉えてしまうこと自体がリスクです。

世の中のトレンドにより敏感になり、新たな知識やスキルをどんどん身に付けていかないと、気がつけば自分がキャリアを歩むうえで化石化していた、なんてことになりかねません。

時代の変化に合わせて経験もスキルもどんどんアップデートしていく必要がありますから、社内外における学びの双方を重要視したほうがよいでしょう。

昔から日本のビジネスパーソンは社会人になると勉強しなくなる、と言われますが、本来は社会人になったからこそより貪欲に勉強をしたほうがよいのです。

まさに生涯学習であり、昨今話題のリスキリングです。

そのように考えますと、NTさんの場合も、勤務時間における実践を通じた学びだけではなく、スクールやセミナーなどへの参加を通じた学習にも時間を費やす、という視点を持ったほうがよいでしょう。

勤務を含む時間や、その場においてできること、学べることなどに制約条件があるのは仕方のないことです。

そうであるからこそ、自分に自由裁量がある分野において、徹底的に工夫して、最大限の効果を狙う、ということをつねに考える必要があります。

仕事とプライベートどう時間を使う?

そしてもう1つ大切なことですが、キャリアに効く経験やスキルと、人生を生きるうえでの経験はまた別物ですから、どちらにどのように時間を使うか、という視点も持ったほうがよいでしょう。

生きるためにはキャリアや仕事ももちろん大切ですが、生活も大切です。
自分自身の人生を実りあるものにするための、人間的魅力を高めるための勉強や経験もやはり大切なのです。

生きるうえでの教養を身につける、趣味を持つ、仕事を離れた人間関係の構築、ボランティアや社会貢献の実践。

そういった総合的な人間力を高めることで、人生は豊かになりますし、キャリア面においてもある程度以上の地位になった際には、有益になるハズです。

さまざまな拙著でも触れていますが、私自身は35歳という年齢で区切って、それ以前はキャリア上の経験やスキルの取得がメイン、以降は人生における学びの比率を徐々に増やす、としてきました。

もちろんそれぞれをどうするかは個々人次第ですから、同時並行でもいいですし、年齢で区切る必要もありません。

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