米国店舗での待遇・面接・採用、社風とは? 世界最大の家具チェーン・イケア
採用されれば、医療・歯科保険があり、月々の保険料が非常に安くて済む(眼科保険はない)。ちなみにアメリカの保険制度は高齢者や障害者を除けば、政府運営ではない。民間の保険会社の医療保険に加入した場合、自営業で4人家族だと保険料が1カ月で5万円以上になることもある。
バイトから正社員へ
さらに、イケア社員向けの昼食は安く、子育て、妊娠、転居など個人的な事情に会社側が対応する。勤務時間もフレキシブルだ。カリフォルニアからワシントンDC、ニューヨークからフランスへと、世界の44カ国のどこかで働ける可能性もある。学生時代にバイトで働き、大卒後に正式な社員として入社するケースも少なくないそうだ。
店舗の管理職、例えば部のスーパーバイザーの年収は約3万5000ドル、チームリーダーが4万ドルから。職種にもよるが、オンラインで応募し、電話インタビュー、担当部長や直属上司による面接、グループでのインタビュー、ドラッグテスト、人物背景のチェックなどがあるそうだ。
販売部長や店舗のマネジャーは部ごとのミーティングに参加し、社員の声や懸念を聞く。部長などの管理職の年休は3週間から始まり、勤続年数に応じて増えていく。
「チームリーダーやマネジャーの上司次第で、評価が大幅に変わる。現場のことが全然わかっていないうえに、決まった人物の話だけ聞く上司に当たると最低だ」と匿名男性社員はいう。
イケアには強力なブランディングやコーポレート・カルチャーがあり、社員は同社で働くことに誇りを持っている。新入社員がイケアのシステムに慣れるためにオリエンテーションが行われることもある。しかし、巨大な店舗ながら少人数でそれらを運営しているため、研修なしで自ら積極的に仕事を把握しなければならない場合もあるそうだ。