元軍人のCEOが軍隊で学んだ「意思決定」の極意 サバイバルで活用した「STOP反応」とは何か
世界最大の人材サービス会社日本法人CEOであり、関西弁を流暢に話すカナダ人でもあるポール・デュプイ氏は、若かりし頃カナダ軍に従軍した経験を持ちます。そのとき体験した極限状態において、上官から教わった「STOP」というマインドセットが、現在ビジネスにおいても有効だと考えているといいます。デュプイ氏著『型破りCEOが世界を歩いて学んだ リーダー5つの黄金律』からSTOPとは何なのか、そして、どうビジネスに生かせるのかを解説します。
チームメンバーを観察して学ぶ
「チームメンバーが行動を始めるきっかけになるのは何だろうか?」
その答えを得るために重要なこととして、わたしはまず、観察して学ぶことをすすめます。ボディランゲージやチームメンバー間の関係性に気を配りましょう。そして発言の合間の沈黙が、何を意味するか感じ取るのです。
周囲を観察することの重要性を初めて学んだのは、10代の頃です。当時わたしはカナダ軍で訓練生をしていました。そこで、7週間にわたるサバイバル訓練に参加したのです。場所はオンタリオ州北部、起伏の激しい森林湖水地帯奥地にあるキャンプ・ペタワワでした。季節は夏。何が起こるかほぼ予測不可能な状況で、わたしたち参加者はさまざまな任務を命じられました。
ある晩のことは忘れられません。その日わたしたちは、未開の森林奥地を4日間トレッキングするという、とんでもなく過酷な任務を終えたところでした。当然、肉体的にも精神的にもボロボロに疲れ切っていました。誰もが、ようやく快適なテントと温かい寝袋に入って眠れることに安堵していたのです。
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