
日本の教育制度だけが特別ではない
宮田純也(以下、宮田) 10月にバンコクの教育イベントに参加したとき、日本の文科省の局長級に相当するタイの官僚の方がこう言っていました。
「自分は親の期待に沿っていい大学に入って役人になったけれど、子どもにはそれは勧めない。自分のほうが先に死ぬのだから、自分の期待はかけないようにしている。教育制度や内容も、これからの人生に対応したものにしていきたい」
これを聞いて、社会の変化と教育の改革は世界的な課題なのだと改めて思いました。
遠藤洋路(以下、遠藤) 日本の教育制度や学校のあり方に関する議論を聞いていると、日本だけが特別に問題を抱えているように言われがちです。しかし近代の学校制度は、別に日本人が作ったわけではなく、世界共通のものです。
つい最近、私のアメリカ人の知り合いも、学校を、テストのための勉強をする場所から変えていかなくてはいけないと言っていました。