遠藤 これは従来のやり方を超える、想定外の使い方で、驚きがありました。コロナ後の活用では、多くの学校の教室をつないで1000人規模で授業をすることもできるようになった。
子どもの権利とか、自分たちの町のために何ができるかという議論を、学校をつないで、1000人規模でやった授業の様子は、Kumamoto Education Weekでも配信しています。
そんなことができるなんて、思ってもみないことでした。
世界の教育に貢献することを目指す
宮田 そこまで実践するとなると、現場の大変さ、負担もあったのではないでしょうか。
遠藤 上から言われて「やらなきゃいけない」ということだったらそうでしょうね。しかし、教育委員会が方針を決めて、それに従って先生方がやっていたわけではない。
お話ししたように、私たちにはまったく想定していないことだったのです。「こういうことができるかも」と思いついた先生が自ら取り組んでいるんですね。
新しいことを思いついた先生が取り組みやすい環境を作る、これが教育委員会の仕事だと考えています。先生方に、こんな制限があるからこれはできないね、と思わせないようにすることです。
これまでの考え方では、いろいろなことをできないようにして、何もさせないのが「いちばん安全」なことだったかもしれません。でも、これからはそうではない。
正しい答えがないからこそ、主体的にやってみよう、という動きが出てきます。それを妨げず、試せる環境でありたい。
私たちは、熊本市の教育委員会ですから、熊本市の子どもたちを幸せにするのが使命です。同時に、日本と世界の教育に貢献するというのも、私たちの使命だと思っています。
子どもたちに、自分の住んでいる周りの世界をよくする力をつけてほしいと言いながら、自分たちはリスクをとらずに小さな世界に籠もるというのでは、説得力がないでしょう。大人として、見本を見せたいと思っています。
宮田 ありがとうございました。
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