これからの「安心安全」な教育行政の話をしよう 熊本から世界の教育に資するためにできること

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宮田 日本では起業が少ないと言われていますが、いままでは、リスクをとって失敗すること、挑戦することの価値がとても低かった。もちろん成功確率も低いですし。

しかし、少しずつ状況は変わっていて、たとえば、私の知り合いの大学生で、起業で成功して事業を売却して、もうお金には困らないはずなのに、新卒で会社に就職するという人もいます。

企業も優秀な人材が欲しいですから、チャレンジしてここまで成長できました、という主体的な人を受け入れたい会社はたくさんあると思います。

こうした実例が増えてくると、挑戦のリスクだけが過大評価される状況も改善されるかなと思います。

成功のロールモデルは世界から学べる

遠藤 以前であれば、村から出ることなく暮らし、仕事も生まれたときから決まっていたという窮屈さがありました。それと比べれば、できることが増えているのは間違いない。その窮屈さと、例えばネットで叩かれる窮屈さとどっちが大変か。

それぞれの時代にそれぞれの苦労があるので、いまの時代に合った経験を積んでいくことを考えていくべきでしょう。

宮田 リスクをとって成功した事例がもっと注目されるようになれば、リスクの算定も適切なものになって、いままでの考え方も変わるのかなと思います。

遠藤 成功事例も含め、多様な情報を簡単に得られるようになったことは間違いない。ロールモデルを日本に限る必要もないですよね。

私が文部省に入った頃はまだ、他国の学校ではどんな授業をやっているのかと調べようと思うと、図書館に行って本を探すくらいしか選択肢がなかったのですが、いまはどこでも学校のHPを見ればすぐたくさんのことがわかる。

その意味で、成功事例も、これまでとは全然違うバラエティの中から見つけられるようになっているのだと思います。

宮田 熊本市では他に先がけて現場にタブレット端末を導入していますよね。

遠藤 これはコロナ前からの取り組みで、元々は、教室で使うために導入したものでした。各生徒の意見をパッと集約できるとか、自分が調べたいことをその場で調べるとか、そういう目的でした。

ところがコロナの休校中、オンラインで家からつないでリモートで授業をやってみた。そうすると、普段は不登校で学校に来られない子どもでも、オンラインの授業なら参加できたのです。

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