鬼越トマホークが「会社の忘年会で大人気」のワケ 実は社内イベント等企業案件で引き合いが多い
――『M-1グランプリ』などの賞レース至上主義のような空気が、メディアにも芸人さんの間にもある気がします。お2人はそこを目指していないのでしょうか。
坂井:僕ら漫才が苦手なので、会社にぜんぜん大事にされてなくて(笑)。
最初は賞レースで頑張って徐々に仕事を増やして、という流れに乗っていこうとしたんですけど早々に脱落して。向いてないなら別の方向で努力しようってなりました。
僕らみたいな個性的な見た目の、吉本興業っぽくない芸人が「みんなと同じ方向を向く必要はない」って逆張りしたら、たまたま仕事を得たというか。ほかの芸人の逆へ逆へと向かっていたら、いろいろな偶然も重なってこうなりました。
金ちゃん:王道の漫才に対して、僕らは邪道だと思うんですけど、仕事になっていればそれでいい。みんなはヒーローが勝つところを見たいわけですけど、そのためには世の中にヒールが必要。僕らはそれでいい。スーパースターになれないのはわかっていますから。岡本(昭彦)社長にも「その道で頑張っていればいい」って言ってもらって楽になりました。
企業案件で声がかかる理由
――鬼越トマホークさんは忘年会や会社イベントなど企業案件の仕事で人気があり、企業営業担当者から引っ張りだこになっている、とうかがいました。
坂井:会社のイベントにサプライズ登場して、祝福の言葉を贈っているかと思いきや、徐々にケンカをし始める。そこに社長や役員とか、偉い人が止めに入るんだけど、止めに来た人たちが逆に僕らからボロクソ言われる。そういう流れなんですけど、めちゃくちゃウケます。いままでにない営業らしいです(笑)。
どこの会社の社長も人ですから、いろいろ人間的な側面があって、社員は仕事で尊敬しつつ、仕事以外の顔も知っています。そこを無礼講の席で僕らが代弁する。日本の社会システムを利用した芸です(笑)。
金ちゃん:社長の情けない部分もヘンなところも、不倫をしていればそれも、社内ではみんな知っているんです。僕らが言ってウケるのは、誰もがそう思っているけど言えないから。みんなの心に鬼越トマホークはいるんです。
坂井:いま「みんなの心に鬼越トマホークがいる」は絶対書いてくださいって顔してた。
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