異例ずくめ「M-1グランプリ2022」見所を徹底解説 初出場の3組から考える今大会の大きな特徴
今年の「M-1グランプリ」は何かが違う。見取り図、ランジャタイが準々決勝で敗退し、ワイルドカードで金属バットが繰り上がるも準決勝敗退。有力視されていたラストイヤー組は、軒並み敗退してしまった。
また、いわゆる“大会の顔”がいないのも珍しい。2000年代は笑い飯や千鳥、麒麟、ナイツらがすぐに思い浮かぶ。2015年以降は和牛、スーパーマラドーナ、かまいたち、ゆにばーす、見取り図、ここ最近ではオズワルド、インディアンスがこれに該当するだろう。
それが今大会は、2度目の決勝組と初出場組のみ。3度目以上の常連組が不在なのだ。象徴する漫才師が不在なうえ、M-1特有のストーリーを体現するラストイヤー組(結成15年)もいない。これは、第3回大会(2003年)以降初めてのことである。
さらには、初出場5組のほとんどが正統派から外れたスタイルだ。これほど異例ずくめの決勝は、M-1史上なかったのではないか。そこで今大会の象徴とも言える初出場3組にスポットを当て、どんな決勝が予想されるか考えてみたい。
M-1、THE Wのファイナリスト、ヨネダ2000
まず注目したいのが、ヨネダ2000だ。第9回(2009年)のハリセンボン以来、大会が復活した第11回(2015年)からは初となる女性コンビのファイナリストである。
2018年に現メンバー(誠、愛)のコンビ、翌年に同期の男性芸人が加入しトリオを結成するも解散。2020年にコンビ再結成後、「女芸人No.1決定戦 THE W」の準決勝に進出。2021年にはM-1で準決勝進出、THE Wで決勝進出を果たし、一気に若手の注目株となった。
そして今年は、M-1、THE Wのダブルファイナリストだ。この結果だけを見ても、2人の勢いと注目度の高さが見て取れる。
ネタの特徴は、「軽快なリズム」と「ファンタジックな世界観」に尽きる。とくに漫才は、誠が軽快な言動で話を展開させ、愛がそれに応える形で笑いを生むものが多い。ボケ、ツッコミに縛られず、見る者をグググッとネタの世界に引き込む力は圧倒的だ。
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