異例ずくめ「M-1グランプリ2022」見所を徹底解説 初出場の3組から考える今大会の大きな特徴

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「『おもしろ荘』で優勝して、いっぱいライブに出させてもらえるようになって考え方が変わったと思います。ネタに関しては尖れば尖るほどいいと思ってたんですけど、呼んでもらってる以上はウケないとって」(小野)

「たぶん吉本じゃなかったら、そのまま変なことをずっとやって単独ライブに力を注いでた気がします。でも、吉本だからいろんな劇場に出て、いろんな人を笑わせなきゃいけない。(中略)だから、今ってむしろ変なネタはやってないんですよね」(野澤)

(2022年11月4日、FRIDAYデジタルに掲載された「おもしろ荘優勝・ダイヤモンドの覚悟『もう言い訳はできない』」より)

その意識が実を結んだのだろう。昨年9月には「ツギクル芸人グランプリ2021」、今年はM-1で決勝に進出した。

取材時、小野が「自分たちが面白いと思うネタを(筆者注:M-1)決勝でやっちゃえばいい」と語っていたが、直前のインタビューを読む限りでは優勝を目指す方向にシフトしたようだ。本番当日、彼らの意識の変化が実を結ぶことに期待したい。

コントや演劇に近い、キュウの漫才

ダイヤモンド・野澤が「吉本じゃなかったら」と話す、その世界線にいるのが、まさにタイタン所属のキュウだ。

2013年、清水誠とぴろの2人で「Q」を結成。翌年に解散し別々に活動するも、2015年に「キュウ」として再結成した。2020年、2021年と2年連続でM-1準決勝進出。TBSラジオ「マイナビ Laughter Night」の年間王者を決めるチャンピオンLIVE、「ツギクル芸人グランプリ」でも決勝に進出するなど、ここ数年で存在感を増している。

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キュウ(写真:M-1グランプリ公式サイトより)

彼らはボケ、ツッコミにとらわれず、“面白い会話”を構築して笑いを生んでいく。「めっちゃええやん!」のフレーズで知られる清水は、よく見るとツッコミのようでツッコミではない。コントや演劇と同じように、偏屈なキャラクターを演じている。

そんなキュウの真骨頂は単独ライブにある。幕間映像を挟まないシンプルな漫才公演ではあるものの、暗転板付き(明転すると、すでに演者が舞台にいる状態)での登場、効果音による演出、コンセプチュアルなネタの構成など、その見せ方はコントや演劇に近い。

だからこそ、私は「賞レースの結果にとらわれず、独自路線を突き進むコンビ」というイメージを抱いていた。しかし、実際に彼らと会い、その考えは180度ひっくり返った。

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