異例ずくめ「M-1グランプリ2022」見所を徹底解説 初出場の3組から考える今大会の大きな特徴

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その芸風は、インパクト重視で考えられたものではなく、できないことを削ぎ落していった先に見えてきたものだという。

「賞レースのために変わったネタを作ろうと思ったわけではなくて、お互いにやりづらいことをどんどんなくしていったら、自然と今のネタになっていった」(誠)

「私は性格的にも強いツッコミをするのが苦手で、それに、誠はいつも設定からしてずれているネタを作ってくるので、そこにいちいちツッコミを入れてしまったら身も蓋もないですし」(愛)

(2022年10月7日、TOKIONに掲載された「新世代芸人・ヨネダ2000、愛と誠の大きな夢 『全人類を笑わせたい』『私もです』」より)

これに加え、荒唐無稽なネタを堂々とやり切ってしまうハートの強さ、コミカルな凸凹コンビという見た目も笑いに拍車を掛けている。いわゆる“リズムネタ”形式の漫才も得意とするため、決勝の舞台で披露するなら賛否を巻き起こすことになりそうだ。

意識が変わったダイヤモンド

一方、「ひと癖あるしゃべくり漫才」で共通するのが、ダイヤモンドとキュウの2組だ。ダイヤモンドは、2017年に結成。ツッコミ・野澤輸出は「エレーン」、ボケ・小野竜輔は「アルドルフ」「セクシーパクチー」というコンビを経て現在に至る。

漫才
ダイヤモンド(写真:M-1グランプリ公式サイトより)

そもそも「手漫才」(野澤があらゆる物を「手」で表現しながら話し続け、小野はリアクションのみで一言も発することのないネタ)のように変わったネタを得意とする2人だ。ハマれば深く刺さるが、なかなか万人ウケは難しいスタイルである。

それは、M-1の結果にも表れていたように思う。2018年から昨年まで、4年連続で準々決勝敗退。2021年の大晦日に放送された若手発掘ネタ番組『ぐるナイ おもしろ荘』(日本テレビ系)で優勝を果たすも大きな変化は訪れなかった。

今年10月、私が直接インタビューした際に2人はこんなことを語っていた。

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