ゴルフがどこか取っつきにくいと感じる理由 「常識」に外れた大人たちにモノ申す

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筆者もゴルフを始めた頃にこうしたエチケット、マナーは先輩から教わって自然に覚えた。それがすべてかどうかはわからないが、要は「他人に迷惑をかけない」「自分がされて嫌だと思うことはしない」こと。そんなことは日常生活ですでに身についているのではないだろうか。

ちなみに、ゴルフ規則の第1章が「エチケット」だ。「ゴルフゲームはどのようにプレーされるべきかというゴルフのマナーについてのガイドラインを規定しているが、これが守られれば、プレーヤーがみなゴルフを最大限に楽しむことができるだろう」。

マナーはゴルフだけに限らない

この章全体に通じる基本的な考えは、「コース上にいる他の人に対しても常に心を配るべきということである」とし「ゴルフはほとんどの場合レフェリーの立ち会いなしに行われる。また、ゴルフゲームは、プレーヤーの一人ひとりがほかのプレーヤーに対しても心くばりをし、ゴルフ規則を守ってプレーするというその誠実さに頼っている。プレーヤーはみな、どのように競い合っているときでもそのようなことに関係なく、礼儀正しさとスポーツマンシップを常に示しながら洗練されたマナーで立ち振る舞うべきである。これこそが正に、ゴルフの精神なのである」と書いている。

ほかにいくつかの例も示してあり「重大な違反は競技失格もある」と厳しい。エチケットやマナーをルールブックに載せているのはゴルフぐらいかもしれない。ただ、読んでいただくとわかるが、日常生活の何かに置き換えてみると「当たり前でしょ」というものがほとんどだ。重大な違反というのはゴルファーとしてではなく「人として非常識」ということだろう。

ゴルフ規則はJGA(日本ゴルフ協会)ショップで600円、文字の大きなものは1400円。ゴルフ場によってはJGAが発行している「これだけは知ってコースへ」という簡易版が無料で置いてある。ゴルフを始めたばかりの人、これから始めたいという人はもちろん、ゴルフ歴のある人も一読してみてはいかがだろう。少なくともエチケット、マナーで戸惑う必要はなくなると思う。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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