もしこちらが打って、その人に当たって怪我をしたりすれば大問題だ。双方がゴルフ保険に入っていても揉めるような気がする。自分たちのホールで自分たちがプレーしているのだから、隣のホールでもプレーしている人がいる。そんな簡単なことなのに、だ。
当然のことができない大人たち
道路で対向車線の車は来ないと思っている人はほとんどいないだろう。ほぼ100%の人は、対向車線に出るときは車が来ているかどうか確認する。ゴルフだって同じことだ。携帯電話を見ながら歩く人を思い出した。人として当然のことができない大人たちが、いかに多いことか。
ゴルフがどこかとっつきにくいと感じる理由のひとつとして、ルールの難解さに加えて、エチケット、マナーに厳格だということがあるかもしれない。ルールについては、ルールなのでどうすることもできないのだが、マナーについてはごくごく一般的な「常識」があれば、何の問題もない。マナーという言葉にちょっと「堅苦しさ」を感じているのが原因かもしれない。
アマチュア界の名ゴルファー、故中部銀次郎氏が同伴したプレーヤーに技術的な教えを請われた際、そっけなく「打つ人より前に出ないでください」と言ったという話を聞いたことがある。その時の中部氏の虫の居所などは別にして、このマナーに関わる大切なことだ。
筆者がゴルフを始めた頃、いいショットをして次の同伴プレーヤーが打つ時に、気がせいていて(早くボールの居所を知りたいから)少しティーグラウンドの前に出ていた。同伴プレーヤーがミスショット。筆者のお腹にティーショットのボールが直撃した。当たり所によっては死んでもおかしくなかった。まだ生きているのはベルトのバックルのおかげ。どんな確率かはわからないが、バックルにあたって跳ね返ってお腹はちょっと赤くなった程度だった。
こんな「荒野の1ドル銀貨」のような目に遭ってからは、中部氏が言うように打つ人に近いところでは絶対に前には出ないようにしている。そうそう、ゴルフ場の服装規定の中で「ベルトをする」というものも時々あるので、ベルトはした方がいい。
マナーというのは「ゴルフの」がつくからとっつきにくいイメージになるのであって、「一般常識の」マナーと思えば、そんなに難しくないはずだ。ゴルフ業界の近々の大命題「新規ゴルファーの創出」のためには、ゴルフをやってもらうのがいちばんなのだが「エチケット、マナー」で敷居が高くなっているとしたら、「大丈夫だよ」と言ってあげたい。
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