2015年問題――。今年は、ゴルフ業界でそんなキーワードがささやかれている。1947~49年生まれの団塊世代が全員65歳以上となり、年金受給者となるのがその発端だ。日本のゴルフ人口は50~60代が大きなボリュームを占めるが、その中においても団塊世代の占める割合は大きい。その団塊世代が「完全引退」するワケだ。
65歳以上になって働き続ける人も少なくはないだろうが、一般的に給料は大きく落ちる。完全引退した人は時間のゆとりはできるかもしれないが、ゴルフを楽しむには相応のおカネがかかる。これまでゴルフを楽しんでいた団塊世代が、ゴルフから距離を置くかもしれない。以前から指摘される若者だけの問題ではない「ゴルフ離れ」。これがゴルフ業界で心配される2015年問題だ。
明確な統計に表れているワケではないものの、その懸念は当たっているのかもしれない。
入場者は3日間で約5万4000人
東京ビッグサイトで2月13~15日に開かれた「ジャパンゴルフフェア2015」。趣味と実益を兼ねてこれまで30年近く通ってきた筆者は、今年も会場をのぞいてみた。これは、1968年に「ゴルフ見本市」として初めて開催された、40年以上続く伝統的なイベントだ。例年、ブースを設けるゴルフ関連の出展社からの「目玉商品」や新規事業を披露する場になる。
今年は182社が出展。ゴルフクラブはもちろんシューズやバッグなどの必需品、ヘッドやクラブシャフト、グリップなどの用具メーカーの展示や、練習器具、健康器具からウエア、ボールマーカーやコンペグッズなどの小物までありとあらゆるゴルフに関連するモノがそろう。
年齢層の詳しい分析は出ていないが、今年は3日間で一般入場者が4万人弱、ビジネス関係者らも含めて約5万4000人が来場したようだ。各出展社はこれらの来場者に自社製品をアピールしていた。ただ、筆者が会場をグルッと2周してみると、例年ほどの活気が見られなかった。
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