――ご著書「京都から大学を変える」(祥伝社新書)からは、京都大学での改革をトップダウンでぐいぐいと進められたような印象を受けます。
いやいや、大学や研究機関の改革をトップダウンでやるのは不可能ですよ。すべての人の利害が一致することはありえません。多くの人が普遍的と思える改革であっても必ず一定の数の反対はあります。実際、京都大学の教員3000名のうち20人が最後まで反対した事案もありました。このような場合、大学ではペンディング事案として残し、最終決定をしないのが普通です。しかし、20人の反対のために、大多数の意見を無視することになるのはよろしくない。
たとえば、京都大学で、教養教育(学部教育)がおかしいから変えようという議論は15年も継続していました。それだけの議論の積み重ねがあり、毎年議事録も出されている。にもかかわらず、何も実践されていなかった。そこで、「議論は十分に積み重ねてきたので、あと1年で終わりにしましょう、これからは実践のときです。具体的な案を出して下さい」といいました。そうすると半年程度で部局単位の案が出てきます。それから担当教授らと議論を重ね、反対があれば説得し、2年かけて改革を進めることができました。
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