地上42mで宙づりに!柵なし「空中通路」脅威の全貌 豪州パースのスタジアム屋上の「めまい」体験

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このころになると頭の中に巣くっていた恐怖心は完全消滅。逆に、楽しくて仕方がない。ふと思ったのが「オレってこれ、得意かも」だ。

最後は逆さ吊りされた状態で記念撮影。それが冒頭の写真だ。

ツアーが終わるころには、インストラクターのピート氏から「あなたが今まで一番の名優です」とほめられるほど楽しめるようになっていた。

一生に一度の体験に立ち会いたい

ちなみにピート氏がこの仕事を始めた理由は、「それまで地上のツアーガイドをしていたけど、お客さんが人生に一度するっていう経験に立ち会いたくて」。そう、確かにこれは「一生に一度」の経験だ。

ピート氏に「屋根の上まで登ってきたけど、そこで怖くなってキャンセルしてしまう人はいないんですか」と質問すると、「尻込みする人はそれなりにいますよ」とのこと。「でも、まわりのみんなから励まされて、思い切ってやってみる。それでやってよかったって、満足する人がほとんどですね」。

屋上から降りて、ハーネスを外してつなぎを脱いだら、ツアーは終了だ。最後にピート氏がひとこと。「今日はとてもいいツアーでした。犠牲者が1人も出なかったので」。日本ならかなりの確率で行政指導が入りそうなブラックジョークだが、筆者は好きである。

青空の下の空中通路。そこにはお化け屋敷のような「暗闇」はない。絶叫マシンのような「スピード」もない。だがそれらを凌駕するほどのスリルがあった。そのスリルの向こうには快感があった。

ヤエン氏とツーショット。バカにされたくない一心でなんとかがんばったが、やってみたら本当に快感!(写真:西オーストラリア州政府観光局提供)
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https://theozone.com.au/experiences/vertigo/
柳沢 有紀夫 海外書き人クラブ主宰 オーストラリア在住国際比較文化ジャーナリスト

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やなぎさわ ゆきお / Yukio Yanagisawa

世界100か国350人以上のメンバーを誇る現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブ」の創設者兼お世話係。会員たちとともに新潮文庫や朝日新書、角川つばさ文庫での共同執筆、「ジュニアエラ」(朝日新聞出版)、「ちゃぐりん」(家の光協会)、「サライ.jp」「BE-PAL」「@DIME」(いずれも小学館)、「日刊SPA!」「女子SPA!」(いずれも扶桑社)などでリレー連載などを手掛ける自称「世界を股にかけた世話焼きオジサン」。慶應義塾大学文学部人間科学専攻。オーストラリア・ブリスベン在住。

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