「笑顔が怖い」心理的安全性を作れない上司の悲哀 「上司ガチャ」「部下を叱れない」可哀想な管理職

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私は、このような「上司ガチャ」についてのアンケートを見ると、「本当かな……」と疑ってしまいます。

「上司ガチャ」のアンケートは世の中にあふれていますが、上司の立場から見た「部下ガチャ」のアンケートはほぼ目にすることがないからです。

上司が部下を叱れない

この疑いの背景には、コミュニケーションの根本は相互関係だからということがあります。

たまに職場でもパワハラやセクハラをする悪人のような人もいるので、すべてではないにしても、大抵の場合は相互に言い分があるものです。

私の職業柄、多くの企業様とお話しする中で、相互関係が崩れてきているという声を非常に多く耳にします。

もはや悲鳴に近い声です。

具体的に何かというと、マネージャーが部下を「叱れない」 ということです。

このような問題が起こっている背景として、心理的安全性の重要性が間違って広がったことが要因の一つでもあると考えています。

それは、心理的安全性という言葉は、部下のために使われることが多くなっており、さらには部下自身も心理的安全性を主張するため、「注意するとすぐ不機嫌になる」「言いすぎると辞める」などの事象が起こり、リスクを回避するためにも上司が「腫れ物に触る」かのように部下に接していることが多くなってきています。

マネージャーの置かれている環境は、「なんてマネージャーは、可哀想な生き物なんだろう」と思うほど過酷な状況です。

ただ、マネージャー自身が仕事を楽しめない状況を打破しなければ何も解決することはできません。

結局、部下は 「仕事に熱中もせず」「不幸そうな顔」をして働くマネージャーを見て「この会社に未来はない」と感じてしまうからです。

そして、持ち前の見切りの早さを発動し、離職は止まるどころか、加速していきます。

本当に、このままでいいのでしょうか……。

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