非正規で働くママ、今ドキの託児事情とは? 働くためには認可外の施設が頼り

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ただ、年々保育枠の利用者は増えており、現在、すでに満員とのこと。「今後、保育の必要性が認められても、新規で入るのは難しいのでは」とAさんは話す。

短時間労働ママはこども園に入れない?

Aさんの園は完全給食のためお弁当を作る手間がいらず、幼稚園によくある午前保育の日もないところが働くママから人気だ。だが、行事の手伝いや保育参観は平日の昼間を指定されるので仕事をその度に休まねばならない。「働くママが増えている実情に合っていない」と、Aさんは不満を漏らす。

とはいえ、働けるのはこども園のおかげ。育児をしながら週3日働く今の生活はとても気に入っている。実は、来年転居を予定しているが、引き続きこのスタイルを続けたいと思っている。しかし、こども園に関しては、もう口約束で入ることはできない。そもそもAさんが現在通う園のように、すでに空きがない可能性もあるし、こんな懸念もある。

「たとえ空きがあったとしても、フルタイムママの申込が多かった場合、私みたいな短時間労働ママは指数が低いから入園できないのでは?」

2015年4月1日現在、認定こども園の数は全国で2836。唯一東京都では数が減るなど地域差はあるが、全体として昨年度の1360から倍増した。

Aさんが懸念するような事態を含め、働くママへの影響が見えてくるのはこれからだ。各地で増えるこども園の保育部分が働くママのニーズにどう応えていくのか、注視したい。

フルタイムで働く幼稚園ママの場合

3歳以降の託児先としてポピュラーなのは、幼稚園の預かり保育だ。ブログ「脱!専業主婦!幼稚園ママのお仕事探し!」を運営する、さいたま市在住のsata-mamaさん(以下Sさん、35)に、幼稚園の託児事情について話を聞いた。

Sさんは、契約社員(9~17時、週5日勤務)の事務職として働く2児のママだ。小学2年生の長女は放課後、NPO運営の学童へ、長男(4)は、幼稚園の預かり保育に預けて仕事をしている。

長男が通う幼稚園は、14~18時まで預かり保育を行う。30分100円と、保育園の一時預かりやファミリーサポートに比べかなり安い。だが、「私のように18時まで利用する人は数名」(Sさん)。預かり保育の利用者は6人ほどいるが、正社員はいない。毎日利用する人でも、10~16時位の時間帯で働く派遣社員や契約社員がほとんどだという。

長女が幼稚園に通っていたときも、預かり保育を利用していたのはSさんを含め2名だった。ほかの働くママは、午前中に終わる仕事や夜間のファミレスなどのパートが多かったという。あるパートママには、長女が卒園するまで、顔を合わせる度にこんなことを言われ続けた。「子どもがかわいそう。なぜ幼稚園にきたの?預かり保育を使ってまで働くなんて、生活が苦しいの?」

余計なお世話である。しかし、幼稚園が、しっかり働きたい人にはフィットしない面が多々あるのは確かだ。

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