大手損保4社はウミを出し切ることができるか ビッグモーターや保険料カルテルなど問題山積

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もし損保ジャパンの回答の通りだとすれば、一部営業現場の暴走ということなのかもしれない。ただ、ビッグモーターの騒動以後も、本社による牽制機能が現場でうまく働かず、監視の目が行き届いていない状態にあるようだ。

架空の保険商品の提案などで被害額1億円超

監視の緩さは専業代理店でも見て取れる。

損保ジャパンは10月6日、50代の元社員が架空の保険商品(一時払い傷害保険)を提案するなど顧客31人から計約3800万円をだまし取っていたことを公表した。

元社員は損保ジャパンに2015年まで研修生として所属し、その後大分県の保険代理店に勤務していた。代理店の関係者によると、元社員はこれまでも不審な行動が散見されていたといい、不正の予兆をつかむ機会はあったはずだった。しかし、発覚したのは9月5日に本人が犯行を自供したからだったという。

被害額は、すでに弁済したものを含めると1億円を超える。代理店はもちろん、損保ジャパンとしても研修の実効性やチェック体制の甘さを今後厳しく問われることになる。

そうした現状にあって、今後自らウミを出し切ることが果たしてできるのか。契約者や株主の不安は募るばかりだろう。

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