「覚醒と睡眠のリズム」を整える!8つのポイント 食事など、毎日の生活にも取り入れたい方法
メラトニンの分泌は主に光によって調節されています。光を浴びることで弱まり、目覚めてから14〜16時間後に体内時計からの指令が出てふたたび分泌されます。一日の活動では、朝起きて太陽の光を浴びると、メラトニンの分泌はしばらくの間弱まりますが、夜、暗くなってメラトニンの分泌が増えるにしたがって、眠たくなるのです。
ところが、夜間にスマホの光やコンビニの強い光を浴びると、メラトニンの分泌が再び弱まってしまい、オレキシン優位のまま夜を迎えることになると眠れなくなってしまいます。
加齢に伴い、メラトニンの分泌は減るので、年をとると夜間に目が何度も覚めたり、朝早く目が覚めるようになるわけです。
メラトニンのほかに睡眠を導く神経伝達物質がGABAです。
GABAは正式名をγ‒アミノ酪酸と言い、神経の興奮を抑えて心身をリラックスさせる脳の神経伝達物質です。不安やイライラを取り除いて、副交感神経型が高まり、睡眠へと導く作用があります。
また眠りにつくときには、深部体温を下げることで脳と身体をしっかりと休息させる仕組みがあります。ぐっすり寝のためにも、身体の深部体温の低下がスムーズに行われることが大切です。
オレキシンが活性化される状況とは?
オレキシンは以下のような状況でも活性化されます(4ページの「オレキシンの多面的作用」の図と併せて読み進めてください)。(※外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
①感情が昂ぶるとき
感情が昂ぶるとオレキシンの分泌が増え、注意力も高まり、「覚醒せよ!」というモードになります。
これは人類の歴史でも、生命を護る機能です。目の前で蛇やライオンに遭遇した際、「恐ろしい!」と不安を感じることでオレキシンが活性化し、覚醒モードが高まります。そのため、「逃げるべきか? 戦うべきか!」の判断が瞬時になされ、機敏な行動がとれるのです。
②血糖値が低いとき
オレキシンは、代謝に関わるグルコース(ブドウ糖)やレプチン、グレリンといったホルモンによっても制御されています。高血糖ではオレキシンは抑制されます。食後に眠くなるのはこのせいです。
逆に血糖値が低いときは、オレキシンは活性化されます。人類の歴史で最も怖いのは飢餓でした。お腹がすいているのに、「寝ている場合じゃないだろ! 早く獲物を探せ!」というオレキシンの指令が脳を覚醒させるのです。
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