「覚醒と睡眠のリズム」を整える!8つのポイント 食事など、毎日の生活にも取り入れたい方法

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熟睡できるためには、祖先の時代の生活リズムが理想的。つまり、昼間身体を動かし、活動力を高め、夜は休息するというモードです。夜ベッドに入って、「さー寝よう!」というだけではだめなのです。といっても、農耕時代の生活に戻れといっているわけではありません。デジタル社会と上手に向き合うちょっとしたコツについて紹介します。

オレキシンは、精神、肉体活動が円滑にいくように指揮をしている脳内物質です。長い時間、眠らないで活動していると効率が悪くなるため、私達の身体の起きている状態と眠っている状態の切り替えを行っているのです。

オレキシンが脳内で活性化している状態では、「覚醒せよ!」という指令が出ます。逆にオレキシンの働きが弱まると、身体を休めるモード、眠る状態へと導かれていきます。ところが、現代人の脳は、「覚醒せよ!」と刺激ばかりするサイクルになってしまい、いつの間にかオレキシン中毒になって睡眠負債を起こしてしまうのです。

オレキシンは1998年に筑波大学の柳沢正史教授と櫻井武教授らがアメリカで発見した神経伝達物質です。これはまさにノーベル賞級の大発見でした。オレキシンは脳の視床下部で働きます。そしてノルアドレナリン、アセチルコリンなどの覚醒系の他の神経伝達物質が、覚醒し続けるようにコントロールする司令塔の役割を担っているのです。

光の刺激が睡眠をコントロールするのはなぜ?

オレキシンと相互に作用する脳内物質の一つがメラトニンです。脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計(概日リズム。1日24時間周期のリズムに関わる生物時計)に働きかけて、覚醒と睡眠を切り替えて自然な眠りを誘う作用があります。

メラトニンが弱まると昼間オレキシンの分泌が増え、活動的になり、逆に夜にメラトニンが分泌されるようになるとオレキシンの働きは弱まり、睡眠モードになります。このことからメラトニンは「体内時計ホルモン」と呼ばれます。

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