「覚醒と睡眠のリズム」を整える!8つのポイント 食事など、毎日の生活にも取り入れたい方法

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オレキシンとそれをとりまく神経伝達物質が、私たちの覚醒と睡眠をコントロールしていることがわかったところで、では実際に何をすればいいかを解説します。

以下の方法は、覚醒と睡眠のリズムを整えるのにどれも欠かせない習慣です。

毎日の生活にぜひ取り入れてください。

①昼間の活動量を増やす
②朝の太陽を浴びてメラトニン分泌を高める
③規則正しい食習慣でオレキシンをコントロールしてレプチンを増やす
④就寝時に空腹のまま寝ない。血糖値を上げ過ぎないものを少し食べる
⑤腸活で自律神経をととのえる
⑥深部体温を下げる食べ物を摂る  
⑦GABAで睡眠の質を高める
⑧地中海式ダイエットを取り入れる 

栄養バランスがいい地中海式ダイエット

⑧の地中海式ダイエットは、アルツハイマー病のリスクを軽減させる食事法として有力です。地中海式ダイエットとは、私たちが日常会話で使っているやせることを目的としたダイエットではなく、「伝統的な規定のある食生活」を指しています。

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ギリシャのクレタ島の伝統的な食事法で、伝統的な和食のメニューにもとても似ています。

摂取総カロリーや摂取動物性脂肪は控えめで、穀物や豆類、野菜や魚を多く摂ります。そのため、栄養バランスがよく、多種のビタミン類を効率よく摂取できる健康食と言えるでしょう。

私たち日本人は、和食を中心にオリーブ油と乳製品をプラスして摂ることを心がけてください。

奥村 歩 日本認知症学会専門医・指導医 おくむらメモリークリニック理事長

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おくむら あゆみ / Ayumi Okumura

1961年生まれ。長野県出身の医学博士。岐阜大学医学部卒業、同大学大学院医学博士課程修了。 アメリカ・ノースカロライナ神経科学センターに留学後、岐阜大学付属病院脳 神経外科病棟医長併任講師、木沢記念病院勤務を経て、2008年に「おくむらメモリークリニック」を開院。設置した「もの忘れ外来」には全国から多くの人が来院し、これまでに10万人以上の脳を診断。脳神経外科医として認知 症やうつ病に関する診察も多く経験し、日本脳神経外科学会(評議員)・日本認知症学会(専門医・指導医)・日本うつ病学会他の学会で活躍している。

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