大半の日本人は「目薬の使い方」を間違っている 目薬を差すときのポイントとは?

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一番気をつけたいのは、目薬の容器が陰圧になる瞬間、つまり目薬を差す瞬間です。確実に点眼したいがために、よく眼球に触れそうなくらいにまで容器を近づけて差す人がいますが、眼球は無菌状態ではありません。細菌を取り込んでしまわないために、最低でも1センチメートルほどは離した位置から点眼してください。

目薬を差したときにまばたきをしてはいけない

目薬は目に入った後、じんわりと眼球に浸透することで薬効を発揮します。ところが点眼直後にまばたきをすると、涙と一緒に鼻から口に抜ける流れを促進してしまいます。

要は、眼球に行き渡る前に薬効成分が下へ下へと押し流されてしまうため、効果が半減してしまうのです。薬剤が眼球にとどまらず体内に流れることで、例えば緑内障の目薬だと心臓の脈に影響したり、ぜんそくなどのせき症状を悪化させたり、普通にしていても眠くなったりというリスクが上がります。もちろんそれだけでなく鼻から口へと流れ込むことでむせたり、苦味を感じてしまうこともあります。

同様に、点眼後に眼球を小刻みに動かすのもよくありません。眼球を動かしたほうが全体に薬効成分が行き渡りそうに思えるかもしれませんが、それは錯覚です。

また、点眼後に目頭をティッシュで押さえるのも避けましょう。これはごく単純な話で、ティッシュで目頭を押さえると、せっかく目に入れた薬液が吸い取られてしまうからです。もちろん目から溢れた分を拭うのは問題ありません。

一番いいのは、点眼後にそっと目を閉じ、目薬が眼球に行き渡るように目頭を軽く 押さえることです。私の研究グループが行った臨床実験でも、点眼後に目頭を押さえるグループと、目頭を押さえないグループとでは、前者に約2倍もの薬効が表れたという結果が出ています。

ちなみに、目薬が目から溢れることが気になる人もいるかもしれませんが、そもそも目薬の一滴はそれくらいに調整されているため、多少は流出しても大丈夫です。きちんと眼球に行き渡っていれば、追加で差す必要はありません。

あといくつか、目薬に関する疑問、誤解を挙げておきましょう。

「目薬は、目のどの部分を狙って差したらいいのか?」と聞かれることもありますが、そんな細かいことを気にする必要はありません。黒目を狙おうと白目を狙おうと、先ほど述べた要領で適切に差せば、一滴だけで眼球に行き渡ります。

目薬を差す時間は、もし意識できるのならば「朝イチ」がベストです。

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