「ブルーライトカット眼鏡」に頼る人が知らぬ盲点 子どもの使用は「推奨しない」とする学会声明も

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眼科医が、ブルーライトカットメガネを特に推奨しない理由とは(写真:years/PIXTA)
「ブルーライトカットメガネを付けているから」「デジタルデバイスの画面をブルーライトカットにしているから」と安心してはいけません。
多くの人が勘違いしている目に関する健康情報について、メディア出演の絶えない眼科医で、『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』でも知られる平松類さんの新刊『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』から抜粋してご紹介します。

どれくらいブルーライトをカットしている?

ブルーライトカットメガネは、特に有害なわけではないけれども、よくもありません。あえて使うほどの意味はないというものです。

ブルーライトが目にダメージを与える可能性は、たしかに眼科の医学会で指摘されたことです。しかし、その先のブルーライトカットメガネの推奨は、学会主導ではなくメーカー主導で起こったものです。言ってしまえば、「新しいものを世に出し、売りたい」という商業ベースで普及してきたものなのです。

私自身、眼科専門医として、ブルーライトカットメガネは「悪くもなければよくもない」と言うしかありません。

すでに述べたように、ブルーライトが目にダメージを与える可能性は指摘されています。にもかかわらず、なぜ私がブルーライトカットメガネを特に推奨しないのかというと、それには理由があります。

ブルーライトを完全に遮断するレンズだったら、ものの色が違って見えるはずです。つまり現在、市販されているブルーライトカットメガネは、ブルーライトを完全にカットしているのではなく、30~50パーセント程度が通常です。

つまり、こういっては厳しいかもしれませんが、ブルーライトカットメガネの効果はほどほどですから、医師としては否定しないまでも、特に推奨もしないというわけです。

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