「ブルーライトカット眼鏡」に頼る人が知らぬ盲点 子どもの使用は「推奨しない」とする学会声明も

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一方で、子どもがブルーライトカットメガネを使用することについては、臨床眼科学会など7学会が合同で「基本的に推奨しない」という声明を出しています。

きっかけは、あるメーカーが渋谷区在住の子どもたちにブルーライトカットメガネを無料提供するというキャンペーンを発表したことでした。結局、学会から声明が出されたことで、このキャンペーンは取りやめになりました。

特に子どもにはブルーライトカットメガネを「推奨しない」としたのは、青に近い紫色や赤色の光には、近視を抑制する作用があるかもしれないといわれているのも一つの理由です。さらには人為的に成長期に特定の波長をカットすることが将来の目にとってどういう影響を及ぼすかが不明であるからです。子どもがブルーライトカットメガネを使うと、紫色の光が入らなくなることで近視を進行させてしまう恐れがあるのです。

「暗いところでものを見ると目が悪くなる」は本当か?

暗いところで本を読んだりしていると「目が悪くなるよ」と言われたことは、きっと誰にでも覚えがあると思います。だから「これも間違いなの?」と驚かれたかもしれませんが、ものを見る環境の照度そのものは、実は視力低下と関係がないのです。考えてもみてください。例えば映画館は暗い環境ですが、「映画館で映画をよく観る人のほうが、目が悪くなりやすい」なんていう話は聞いたことがないでしょう。

視力低下と関係があるのは「距離」です。「あまりにも近距離で本を読んだりしていると目が悪くなる」というのなら正解といえます。

「暗いところでものを見ると目が悪くなる」と言われるようになったのは、おそらく、暗いところではおのずと近距離でものを見ることになるからでしょう。しかし本当に問題なのは「暗いところで」ではなく、「近距離で」ものを見る部分というわけです。

とはいえ、暗いところでものを見ることにまったく問題がないわけではありません。

暗いところでものを見ていると眼圧がかかり、眼球が硬くなりやすいという別の問題があります。ですから、暗いところでものを見るのは、視力低下につながる悪い習慣とはいえないけれども、決していいわけでもない、したがって避けるに越したことはないと心得ておいてください。

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