猛暑で日傘市場が沸騰! 5年で売り上げが2倍になった傘メーカーの独自路線とは? 起爆剤となったのは「日傘男子」の存在

「This is COOL」――。
このメッセージとともに、モデルとしてスーツ姿で登場する俳優の窪田正孝さんが手に持つのは、晴雨兼用の折り畳み傘だ。これまで日傘を差す習慣がなかった男性からのニーズが生まれ、日傘はもはや女性だけのアイテムではなくなっている。
ビジネスシーンをイメージさせるようなスタイリッシュな印象のビジュアルを打ち出しているのは傘メーカーのワールドパーティーだ。同社は雨具のメーカー大手で年商は100億円ほど。「Wpc.(ダブリュピーシー)」というファッション性が高いレディスの傘ブランドを展開し、日傘も主力商品の1つで、2021年から男性向けの傘ブランド「Wpc. IZA(ダブリュピーシーイーザ)」を展開している。
今年の夏も猛暑がやってくる
気象庁は2025年の6~8月にかけて全国的に平年と比べて気温が高くなると予想しており、今年も暑い夏がやってくる。近年の猛暑を受け、令和の熱中症対策としてハンディファンやネッククーラーとともに日傘が定着し始め、過去には見なかった傘の新しいトレンドが見えてきた。
実際、傘の市場は拡大している。ワールドパーティーによると、傘の市場は約1500億円で、ここ数年は年間で3~4%伸びているという。市場拡大の要因は猛暑による日傘だ。同社の場合、日傘は通常の雨傘に比べて1000円ほど高く、傘の単価も上昇傾向だ。
ワールドパーティーがメンズブランドを立ち上げたきっかけは、コロナ禍で外出機会が減り、傘の需要が減ったことだ。コロナ禍で業績が下がる中、従来の20代から40代女性のターゲットからずらしたサブブランドを作り、マルチブランドの戦略に舵を切った。
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