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猛暑で日傘市場が沸騰! 5年で売り上げが2倍になった傘メーカーの独自路線とは? 起爆剤となったのは「日傘男子」の存在

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そこで着目したのが、男性向け市場だ。2020年前後はメンズのコスメやスキンケア商品などが発売され始め、当初は美容目的で男性が日傘を差す潜在的なニーズはあると見込んだ。

さらにブランドを立ち上げて3年目に猛暑が重なったことで売上高が伸びた。Wpc.事業の中でも、男性向けブランドの売上高はおよそ15%にまで占めるようになり、「Wpc.IZA」は「Wpc.」に次ぐ第2のブランドになった。

「Wpc.IZA」の商品は3000~5000円の折りたたみ傘で、日傘を差すことに抵抗感を感じる男性に対しても購入してもらいやすいデザインになっている。模様や柄、装飾がなく、生地は黒やグレー、ベージュといった落ち着いたトーンの単色を採用。サイズも従来のレディスの日傘に比べて5センチ長い親骨を使い、大きめのサイズで展開している。

女性と異なる男性日傘の特徴

男性をターゲットにした日傘は女性に向けて訴求するポイントも異なる。女性向けの日傘では紫外線のカット率や、遮光率の高さといった美容効果をアピールしているが、男性向けの商品では遮熱性や日傘を使うことによる発汗量の軽減を強調している。

メンズブランドでは黒やベージュなどシンプルな色のデザインを採用している(記者撮影)

風に強い強度な骨組み、開閉スイッチ付き、軽量といったバリエーションも増やし、過去5年で同社の全体のアイテム数は約60種類から約120種類と2倍に増えた。その結果、卸売先からも日傘の引き合いが強く、取引額が上昇した。

同社のオリジナルブランド「Wpc.」事業の2025年1月期の売上高が102億円と2020年1月期の41億円から2倍以上になり、2026年1月期の売上高は127億円を見込んでいる。売上高のうち7割近くを日傘が占め、雨傘と逆転した。

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