「結婚願望は高校生の頃からありました。親に愛されていないから、誰かに愛されたいという気持ちが強かったのです。いわゆる愛着障害だと思います」
働きすぎで体を壊していた頃、九州の地元で知り合ったのが前夫の真一さん(仮名)だ。長男長女に恵まれたが、16年間の結婚生活の後半7年間は「離婚したくて仕方なかった」と久美さんは明かす。
働く意思のなかった前夫
「(外で)働こうとしないからです。たまにアルバイトをしても、人間関係がどうのこうのといってすぐに辞めてしまう。実家が裕福で、私も稼いでいるので、働く必要を感じていなかったのでしょう。海外で家族で暮らしていたときも、英語ができないので家にいて子どもとベッタリ。一応は主夫でしたが、はっきり言って家事も私のほうが得意です。あまりに腹が立ったので、私一人で海外に赴任していた時期もあります」
真一さんは何か悪いことをしたわけではないが、久美さんの気持ちが完全に離れたときに潔く別れることもしなかった。久美さんによれば「甘ちゃん」なので、他に行くところがなかったのだろう。3年前に離婚した後も久美さん名義の自宅に居座り続け、最近になって渋々と地元に帰ったという。それまでの間、久美さんはストレスで病気をしたり思わぬ事故に遭ったりすることが続いた。
離婚後、久美さんは晴れやかな気分で婚活を始めた。しかし、結婚相談所ではなかなかお見合いを組んでもらえない。子どもがいる40代女性は避けられる傾向にあるという。2000万円という高収入も女性の場合は有利に働かないことがわかった。
商売好きの久美さんはそのうちに自分で結婚相談所を始めてしまう。「面白そう」という直感で、大手の加盟店となった。
「驚くほど男性会員が少なかったのですが、そこで光っていたのが警察官の主人です。私が中学生時代から好きな俳優さんにそっくりだし(笑)。年齢的に釣り合いそうな女性会員にお見合いを勧めたのですが、前の奥さんとの間に子どもがいることなどから敬遠されていました」
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