「もの知り」なあの先輩が、仕事で残念なワケ 勝負は知識量では決まらない

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しかし、これもまた成長のチャンスになります。自分がわかっていないこと、整理できていないことは何かがわからなければ、その先はありません。

整理の方法として、CRECというシンプルな方法を頭の片隅においておくと非常に便利です。たとえば、「私は今回の消費増税の延期には反対です」と言いたいとしましょう。

最初に、イイタイコトを話します(C:conclusion 結論・結果・主張)。この場合は、「私は消費増税の延期には反対です」がイイタイコトになります。

次に、理由を3つ考えます(R:reason 理由・根拠)。消費増税延期に反対する理由はたくさんあるかもしれませんが、「理由は、R1、R2、R3の3つあります」という感じで、大きな柱を3本立てる癖をつけるのです。

そして、3つの理由の中に、最低でもひとつ以上の具体例を入れるようにするのです(E:example 具体例)。「理由R1、R2、R3それぞれに対応する具体例は、E1、E2、E3です」といった具合です。

ポイント4:仕事で使わなければ意味なし

「使う」のトリは、「仕事で使う」です。当たり前のことのようですが、学びは学び、仕事は仕事と、その間に知らないうちに壁を作っている、もしくは結果的に別世界になっている人は、世の中に数多くいます。いろいろ知識はあるけど、仕事には生かせていないという状況です。

このようなタイプの人は、「いつか」「タイミングがきたら」「もう少ししっかり理解してから」などとよく口にします。しかし、こうした態度は今すぐ改めるべきです。

学んだことを使ってみれば、結果のいかんにかかわらず、またそこに学びが発生します。時に、ネガティブなフィードバックをされることもあるでしょう。しかしそうであっても、その学びをまた生かすことができます。そのようなスパイラルアップを意識している人とそうでない人の差は、開くばかりです。

得た知識を使う=アウトプットする方法について4つほど見てきましたが、このほかにも「プレゼンテーションの機会をつくる」「ブログを書く」「SNSでまとまった文章を書く」「人に教える」「仕事以外の活動(NPO活動など)で使う」など、さまざまなことが考えられます。

ともかく、大切なことは、本当に実力を上げたいのであれば、学びのど真ん中に「アウトプットする」があることを肝に銘じ、それを実践し続けることです。

何はなくても、「アウトプット! アウトプット! アウトプット!」です。

田久保 善彦 グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長

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田久保 善彦 / Takubo Yoshihiko

慶應義塾大学理工学部卒業、学士(工学)、修士(工学)、博士(学術)。スイスIMD PEDコース修了。株式会社三菱総合研究所を経て、現在グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長。経済同友会幹事、上場企業およびベンチャー企業外取締役等も務める。著書に『ビジネス数字力を鍛える』『社内を動かす力』(ダイヤモンド社)、共著に『志を育てる』、『グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略』、『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』(東洋経済新報社)等、多数。

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