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「この本は私が出す」60代の彼女に起業させた絵本 エストニア人画家との出会いが運命を変えた

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作を手がけたイタリアの児童文学作家のダビデ・カリは欧米では有名。テーマもタイムリーで普遍的。ぜひ日本で紹介したい。だが、出版社探しにまた時間を取られてしまう⋯⋯。 「自分で出そう」 戸塚さんの決意は固まっていた。

「夫も賛成、成人した娘たちも拍手して応援してくれました。これまで私が子育てしながらもがいてきたことを知っているから、『今こそママは好きなことをどんどんやるべき』と言ってくれています」と戸塚さん。

「若い頃フォトジャーナリストを目指したいと思ったのは、紛争や貧困などで厳しい環境に置かれている子どもたちにはずっと心を砕いてきたからでした。少しでも人々が戦わずに済む社会になってほしい。絵本はそれを伝える1つの大切なツールになる。この絵本に出会ったときに、『私にできることはある』と突き動かされました」

ラジオで聞いてピンときて、ヤマザキマリさんにメール

そして、2022年7月にgreen seed booksを立ち上げた。戸塚さんは趣味で畑仕事をしており、都会の子どもたちに農業体験をしてもらう活動も行っていた。その経験から得た屋号だ。読んでくれている子どもたち、大人たち、すべての人々の心に種をまけるような絵本を作っていきたいという思いが込められている。

(撮影:ヒダキトモコ)

出版は決まった。次なる問題は、誰に翻訳を頼むか――。ある日の早朝、ラジオを聞きながら農作業をしていると、ラジオからヤマザキマリさんの声が聞こえてきた。戸塚さんはもともとヤマザキさんのファンで、漫画はもちろんエッセイなども愛読し、その独創性や生き方に惚れ込んでいた。

「すぐに事務所宛てに、『だれのせい?』がいかに素晴らしい絵本か、熱い思いを綴ったメールを送りました。でも送ったものの、宣伝力のない1人出版社だからきっとダメだろうと思っていたんです。数日後、快諾の連絡を受けて、逆にビックリしました。

どうして引き受けていただけたのか伺ったら、この本の内容に魅力を感じ、レジーナの絵も気に入ったと言ってくださって、もう感激。夢に描いたような好スタートを切ることができました」

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