中学受験の悩み迷いがその後の人生に与える影響 失敗をゼロにできないからこその貴重な経験

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中学受験を「子どもの成長を一緒に喜ぶ機会にする」と決めていると、壁にぶつかったときに迷うことが少なくなります。

一度中学受験の世界に入ると、「テストの点数」「順位」「偏差値」というインパクトの強い数字に追われ、肝心の「何のために中学受験をするのか」という原点を見失うことがあります。「塾にこのまま通わせてもいい?」「志望校はどうする?」「受験をやめようか?」といった、中学受験で必ずぶつかる壁を乗り越える際に役立つので、いつでもこの原点に立ち戻れるようにしておきましょう。

俵万智さんの短歌、とくにご自身が子育てをはじめられてからのものに、ハッとさせられます。子どもたちは、知らず知らずに、しかし確実に成長しています。

「5歳になったらひとりで寝る」という息子の目標を前にして、彼が3歳のころに詠まれたこんな短歌を、ふと思い出した。
してやれること また一つ減りゆきて 子が殻をむく固ゆで玉子

子どもの成長に気づくには、子どもの成長を過去と現在で比較し、評価すること。そして、短期ではなく、大きな時間軸で子どもの成長を見ることがポイントです。「できなかった問題が解けるようになる」というのはもちろん、「逃げずに不安と戦おうとしている」「苦手な単元も果敢に挑戦している」など、わが子の心の成長も、一番そばで見届けてあげてください。

失敗から立ち上がる経験が人生の糧になる

子育ての最終的な目標の1つに、「親がこの世にいなくなったときに、一人でも生きていけること」があります。

「人生100年時代」と言われます。今の小学生は22世紀を生きる可能性もありますが、まったく失敗しない人生などあり得ません。いろいろな失敗をしながら、1つひとつなんとか「やりくり」して、それらを乗り越えていく力をつけるというのが、「一人でも生きていける」ということなのではないでしょうか。

受験に向けて必死にがんばる子を見て、「子どもにこんなに大変なことをやらせるのは、かわいそうでは……?」と思うこともあるかもしれません。また、近所の方や親戚にそう言われてしまう場面もあるでしょう。しかし、考えてもみてください。たとえば、「模試でよい点数が取れない」という失敗は、誰にも迷惑がかからないものです。大人になってからの失敗は他人に迷惑がかかるかもしれませんが、教室での失敗にリスクはありません。

「人は、やらなかったことを最も後悔する」

コーネル大学の心理学教授、ティモシー・ギロヴィッチによれば、人は「失敗したこと」より「行動を起こさなかったこと」のほうを2倍後悔するそうです。

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