中学受験の悩み迷いがその後の人生に与える影響 失敗をゼロにできないからこその貴重な経験

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さらに人は、歳を重ねていくにつれ、いいことだけ覚えておいて、悪いことは忘れてしまう傾向にあります。こうしたことから、単純に多くのことを経験すればするほど、年老いたときに幸福感が増し、武勇伝も増えるというわけです。

伝記を読んでいると、誰もが大きな挫折に直面し、それでもめげずに粘り強さを発揮し、知恵を絞って、なんとか「やりくり」をすることで成功を勝ち取っていることがわかります。

AIなどの発展により、これからますます先の読めない時代になっていくのは間違いありませんし、人生において失敗を0にすることもできません。

失敗を恐れていたら前進できませんし、失敗するごとに落ち込んでいたら、よい人生は送れません。そんな時代に求められるのは、失敗への対処能力を高めることではないでしょうか。

受験生は、月に何本も模試があり、自分の得点・順位・偏差値が常に算出されるというシビアな世界で生きていきます。会社で月に何回も査定があったら、と想像すると、いかに厳しい環境かがわかりますね。受験生は、そのような生活に身を置くことで、目には見えなくとも、日々たくましく成長していくものです。

中学受験を「子どもがかわいそう」という理由でチャレンジするか迷っているのであれば、受験の経験を通して得られる「失敗をプラスに変えるパワー」の意義を考えてみてください。

「失敗はよくないもの」という先入観を外す

<反省が足りない?>

うちの子が塾から帰ってきてすぐ、模試の結果をうれしそうに報告に来たんです。期待して結果を見たところ、成績上位の子の名前にていねいにアンダーラインが引いてあって、「お母さん、○○ちゃん載ってるよ、すごいね!」って。

友だちの名前が載っているのを、心から喜んでいるんです。もう少し、「自分もできるようにならなきゃ」って反省してくれるといいんですが……。

私はこの話を聞いたとき、感動し、そしてこう答えました。

「一緒にがんばっている友だちの結果を素直に喜べるお子さんは、すばらしいじゃないですか。大人だったら、なかなかそんな感情になれません。

それに、本当に仲がいい子が塾にいることは、必ずプラスに働きます。大人の目に見えない悩みでも、友だちがいることで救われている場面がたくさんあるものです。本人の成績が上がったとき、絶対にその友だちも喜んでくれますよ」

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