「タワマンや偏差値」は規格化された幸せの象徴だ 中学受験×タワマン文学対談<前編>
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タワマンを舞台にした中学受験狂騒曲を描いたコミックエッセイ『タワマンに住んで後悔してる』(KADOKAWA)を上梓した窓際三等兵さんと、中学受験の実態に迫る『勇者たちの中学受験』(大和書房)というノンフィクションが話題になっている教育ジャーナリストのおおたとしまささんが、お互いの作品に触れながら、現代の中学受験のリアルを語り合いました。
「タワマンに住んで後悔してる」で描かれた3人の母親
おおた:窓際さんのコミックエッセイ『タワマンに住んで後悔してる』では3人の母親が描かれています。舞と恵が専業主婦で、舞は低層階、恵は高層階。夫の収入が違う。香織だけがキャリアウーマンで中層階に住んでいます。3人の設定にはどういう意味が?
窓際:舞は、子どもが5年生のときに地方から来て、わけもわからず中学受験に巻き込まれ、子どもに可能性があると褒められ、どんどんのめり込んでしまう。このキャラクターは一昔前の中学受験を象徴しています。また、中学受験文化を知らない読者の分身でもあります。
恵の子どもは帰国子女です。中学受験をちょっと外から見ているキャラクターがほしくて。私の知人にも多いのですが、海外駐在から帰ってきたひとたちは、いわゆるサピックス文化から少し距離を置くというか、ちょっと見下しているところがあります。
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