藤咲が北海道に帰ってからも、2人はこれまで通りやり取りを続けていた。
「子どもの写真とかがなぎちゃんから送られてきて、超かわいくていいな~って。けっこう頻繁に連絡とってましたね」
藤咲が当時の話を重ねる。
「なんか緑ちゃんとはいつも連絡とってましたね。もちろん地元のママ友とかもいるんですが、また違って。もちろんこの頃は(芸能活動に)戻りたいとかほんとに思ってなくて」
子どもが生まれて母となり、藤咲は何か変わったのだろうか。
「う~ん。自分では今まで通りかなと思うけど、なんか変わったかなぁ」
被せるように小野が言う。
「もう優しくなりましたよ。丸くなった!」
それを受けて藤咲が笑う。
「丸くなったかなぁ。まあそうか! 丸くなったか!」
一時期はぐれてとがっていた藤咲も、出産を機に優しく丸くなった。
小野が見据えた藤咲のロードマップ
次女が生まれた際も藤咲は小野に子どもの写真とメッセージを送っていた。
だが、藤咲の家庭での幸せは長くは続かなかった。詳細は控えるが2022年、子ども2人を連れて結婚生活を終えることになる。そんな関係だったからこそ、離婚に際しても、藤咲は小野に相談をしていた。
「離婚した後、どうしようって緑ちゃんにたくさん相談してたんです。そんなときに緑ちゃんが『うちに来なよ』って言ってくれたんです。だけど、最初は本気と思ってなくて。私はお金もないし、とりあえず地元に残ってこれから仕事はどうしようかなと真剣に考えてました。そうしたら、『お金の心配はしなくていいよ! 私の貯金もあるしなんとかなるから来なよ!』って言ってくれたんです」
ある意味、なんとも男気溢れる発言だ。
「離婚の話をなぎちゃんから聞いて。だったらうちに来て一緒に住もうよって言ったんです! 子どもも連れてうちに来なよって。お金のことは心配いらないからって誘ったんです。その当時はセルフプロデュースで稼いでいたお金を全部貯金してたので、ほんとにある程度は大丈夫かなと思って、本気でした」
小野の発言は決して冗談ではなく本気だった。自身の貯金や生活状況を考え、さらには将来を見据えた発言だったのだ。そのために小野は、実際に藤咲を迎え入れた後のロードマップも作成した。
保育園や公園など子育てに必要な環境が揃っているかどうかはもちろん、2人で「最終未来少女」の活動を再開させた際にどう売れていくのか、その地図も描いていた。
「さすがに子どもを連れてまた東京は……って思ってたんですが、緑ちゃんが子育ての環境から、私たちの具体的な将来のビジョンまで示してくれて。それなら思いきって東京に行こうって決意しました」
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