藤咲の告白を、小野はどう見ていたのだろうか。
「私はなぎちゃんが地元の北海道にいたときから、ずっと連絡をとっていて。それこそ、妊娠して、出産するときも、いつも連絡とっていて、知っていたので……。やっと発表できたんだと思って感動しました」
小野から出た言葉は「感動」という意外な言葉だった。
「なぎちゃんの子どもとお出かけするんですけど、そのときに隠すというか、ちょっと発表したほうが楽な気持になるんじゃないかなということがあったんです。だから、発表するってなったときは応援しようと思って。ほんと、よかったです」
そして、この発表により、自分たちに何かマイナスになるということは一切考えていなかったという。それほどまでに小野は、藤咲が世間に認められる、必ず売れると信じていた。
「(藤咲が世間で話題になって)ようやく来たなって感じです! だって絶対になぎちゃんなら売れるってずっと思ってきてやってきましたから!」
藤咲凪、小野緑、2人の物語は2017年まで少し遡る。
対バンでの「運命の出会い」
2017年春、藤咲凪はライブアイドルとしてデビュー。同じく、小野緑もこの頃「HAMIDASYSTEM」というアイドルとして活動していた(当時、2人とも今とは別の芸名で活動)。
そこで藤咲、小野は運命の出会いを果たすことになる。お互いにSNSではフォローしており知ってはいたが、はじめて対バン(複数のアーティストがタイムスケジュールに沿って出演するライブイベント)で一緒になったときに一気に意気投合した。
「はじめて対バンで話して、それから緑ちゃんとちょくちょく遊びに行くようになったんです。別に何するってことでもないけど」
小野の話をするときの藤咲は、本当に柔和な表情となる。またその逆もしかり、藤咲の話をするときの小野も本当に優しい顔をしている。
「なぎちゃんとは対バンで出会って、遊ぶようになって、最初からなんか一緒でしたね。なんでだろう。よくよく考えるとお互いに性格も真逆だし(笑)」
お互いに所属事務所も違えば、アイドルとして活動しているグループも違う。でも、なぜか気が合った。
短時間に集中して物事をこなせる藤咲に対して長期的な思考の小野。寝るのもショートスリーパーの藤咲に対して、ロングスリーパーの小野。思えば性格もやることも真逆だった。
だが、2人で過ごすうちに小野にはある思いが芽生える。「この2人なら売れるんじゃない!?」。
それは当初、口には出さなかったが、ユニットを組むきっかけとなった。
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