「規則正しい生活」を長年続ける意外な落とし穴 心身ともに「変化に弱い」はビジネスで致命的

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「信じられない。もうオープンの時間なんだから、その前までにちゃんとやっておこうよ。日本だったら……」なんて言いたくなっても、それはあくまであなたが勝手に「そうであるべき」と思っているだけです。

それではアルゼンチンやスペインが普通で、日本が普通じゃないのかと言ったら、それもそれで違いますよね?「みんな、違う」ということです。

昔の日本人だって時間にルーズ

もう1つ別の話になりますが、私たちがなんとなく思っている「日本人は時間を守る」というのだってそもそも本当にそうなのでしょうか。中には時間を守らない日本人がいるという意味で言っているのではなく、一般的に「日本人は時間を守る」というのはそうだと思うのですが、実は昔はそうではなかったらしいのです。

江戸時代末期、長崎海軍伝習所の教官として来日したオランダ士官ウィレム・カッテンディーケの著書『長崎海軍伝習所の日々(日本滞在記抄)』を読んだところ、「日本人の悠長さといったら呆れるくらいだ。我々はまた余り日本人の約束に信用を置けないことを教えられた」と書き記していました。

彼に限らず、幕末から明治初期にかけて日本を訪れた西欧人たちが同じようなことを書いているそうですが、今から150年前の日本人は時間にかなりルーズだったようです。だから日本人が時間を守るというのも「今の日本人は」ということで、もともと持っている性質でもないのです。

私たちは自分の経験から物事を判断します。ごく当たり前のことですが、困るのは他人にも「そうであってほしい」と期待することです。海外駐在した時に現地の人たちに期待するだけでなく、日本でも世代の離れた部下や異業種の人たちに対しても同じ思いを抱きがちです。

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