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「潰れたら終わりなんて過去」失敗起業家の復活譚 キャンセル社長は破産した同月に会社立ち上げ

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コロナ禍が直撃して破産したものの、その同じ月に新しい会社「Payn」を立ち上げた元キャンセル代表の山下恭平氏。山下氏は、スタートアップを潰すことに関する情報がまったくないと指摘する。

倒産しても再び起業できる環境になってきた (写真:Elnur/PIXTA)
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※この記事は9月20日5:00までは、東洋経済オンライン会員であれば無料で全文をお読みいただけます。以降は有料会員限定となります

宿泊予約の権利を個人間で売買できるマーケットプレースを提供していたスタートアップ、Cansell(キャンセル)。コロナ禍が直撃して2022年3月には破産したものの、元代表の山下恭平氏は同月には新たにキャンセル料の請求・回収サービスを提供するPayn(ペイン)を創業した。そして、これまでに9000万円の資金を調達することができた。山下氏が再起を果たせた理由は何か。山下氏を直撃した。

――キャンセルが破綻した経緯は。コロナ禍がきっかけになったのでしょうか。

2016年に創業してサービスをリリースし、ぐいぐい成長してきていた。そのサービスは旅行需要のど真ん中。コロナ禍に見舞われたときも、最初は、むしろ予約のキャンセルが多くなったため、取引が増えて忙しかった。しかし、しだいに「あれ、なんか世の中やばいぞ」と。

ちょうど資金調達に動いていたタイミングだったが、当然、話は流れた。一方で会社が潰れないようにやることをやった。コロナ融資を引いたり、税金・社会保険料の納付を先延ばししたりしたほか、人員整理にも着手した。

コロナ禍で資金繰りが厳しくなり破産を決断

2020年夏ごろから「Go Toトラベル」事業で旅行需要がいったんは盛り上がり、「もう一回改めて復活していくぞ」と思っていた。だが、その後に新型コロナの感染が再拡大して、先行きの読めない状況が続いた。

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