金融引き締めの状況下、資金を集めファンドを組成できなければ、「ゾンビ化」に追いやられるVCも出かねない。
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調達環境が逆回転──。スタートアップをめぐるお金の流れは、2022年半ばから明らかに変調を来し始めた。スタートアップに投資するベンチャーキャピタル(VC)にもその波は及び、死に体を意味する“ゾンビ”化現象が懸念されている。
震源地は米国だ。しつこいインフレを退治するべく、米連邦準備制度理事会(FRB)は22年3月から利上げを開始。同6月には米連邦公開市場委員会(FOMC)で、27年ぶりの大きさとなる0.75%の利上げを決め、23年5月まで10会合連続の利上げを行った。コロナ禍の緩和マネーで潤っていた株式市場も打撃を受け、“スタートアップマネー”は急速に縮小した。
生成AIブームをテコにしたハイテク株の主導などで、株式市場は足元でリバウンドしているものの、機関投資家がVCなどプライベート(未公開)市場への投資を手控える傾向は続いている。
姿を消す大型ファンド
実際に何が起きているのか。調査会社の米ピッチブックによると、23年はグローバルでVCの資金調達額が大幅に減少している。6月末時点の数字ではあるが、2年連続減少となる公算が大きい。米国に限れば、第1四半期(1〜3月)の調達額は前年同期比73%減だったというデータもある。
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