厳しい環境下でも巨額調達に成功する「大型上場予備軍」。ベンチャーとしての成熟期に向け、成長シナリオをどう描くのか。その戦略に迫る。
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スタートアップの資金調達環境の悪化が顕著になっている(詳細は9月11日配信記事:「スタートアップ」は熱狂と暗影混在の新時代に)。とりわけ目立つのが、すでに一定規模まで事業が成長し、上場前夜と目される「レイターステージ」の各社の苦境だ。
そんな成熟期のスタートアップの中にも、外部環境をものともせず、直近で数十億から100億円規模の資金調達に成功している「大型上場予備軍」は確実に存在する。
彼らは核融合やAIなど独自の技術やマイクロファイナンスといった特徴的なビジネスモデルを武器に事業を拡大する。ベンチャーとしての成熟期に向け成長シナリオをどう描くのか。その戦略に迫る。
ミャンマーなどアジア5カ国に展開
民間版の「世界銀行」を目指す──。
金融サービスを通じた発展途上国支援を掲げるのが五常・アンド・カンパニーだ。慎泰俊(シン・テジュン)代表が14年に創業し、現在ミャンマーやスリランカなどアジア5カ国に展開する。
同社が手がけるのは、「マイクロファイナンス」と呼ばれる小口融資だ。時には読み書きさえも難しく金融機関と取引ができない個人や零細企業に対して、300〜500ドル程度を融資する。
資金使途は家畜の購入、工芸品の製作費用など。融資先のほとんどが女性で、家事の傍らにこなす“副業”の初期投資だ。
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