スタートアップの成長には「不正対策」が不可欠だ 「エルピクセル事件」を教訓に、防止策の再考を

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不正に防ぐガバナンス体制の整備は、設立初期のスタートアップにも必要だ(写真:bee /PIXTA)
9月11日発売の『週刊東洋経済』9月16日・23日合併号では、「すごいベンチャー100 2022年最新版」を特集。注目の100社(2022年最新版・全リスト)の総力取材記事に加え、10年後の日本を占ううえで欠かせない「スタートアップ市場の最新トピックス」を網羅する。

「エルピクセル事件が風化しつつある」──。VCのベテランキャピタリストを中心に、そんな危機感を口にする業界関係者がこのところ増えている。

エルピクセルは2014年に創業した、生命科学領域の画像解析を研究開発する東京大学発のスタートアップ。事業成長を遂げていた最中の18年末、経理担当の元取締役による横領が発覚した。被害総額は約33億円に上り、それまでにオリンパスや富士フイルムなどから調達していた37億円の大半が消失した。元取締役は逮捕され、数年内を目標としていた上場計画は無期限延期となった。

不正・横領は他人事じゃない

スタートアップかいわいの誰もが衝撃を受けた事件だったが、「最近は、20代前半の起業家と話していると『そんな事件があったんですね!』と言われる」(国内VC関係者)。伝承や意識改革に力を注ぐべきときかもしれない。

「不正・横領は自分に関係のないことじゃないって話」。国内のVC大手・ANRIでキャピタリストを務める元島勇太氏が6月にそんなタイトルのnote記事を投稿し、反響を呼んだ。「経理として働いたキャリアを持つ自分には当たり前のガバナンス知識も、そうでない人は意外と知らないものなのだと気づき、情報をまとめてみようと思った」(元島氏)。

スタートアップの構成員には社会課題解決に燃える人などが多いため、不正に関しても「うちにそんな悪い人はいないので大丈夫」と過信気味の経営者は少なくない。

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