ベンチャー「調達環境の急悪化」を乗り切る条件 麻生台ヒルズの新VC拠点は起爆剤になるか
「何よりもリスクマネーの供給がなければ、(日本のスタートアップを成長させるための)血液にならない、肉にならない」
小池百合子・東京都知事は、11月28日に行われた「Tokyo Venture Capital Hub(以下、TVCH)」の開会式典の祝辞で、そう力を込めた。
TVCHはスタートアップ投資の主要な担い手であるベンチャーキャピタル(VC)やコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の集積拠点として、東京・麻布台ヒルズのオープンに合わせて新設された。開所時点で42社の入居が決まっており、これを1年程度で70社まで拡大することが目標だ。
各社のキャピタリストが普段から顔を合わせて交流することで、スタートアップとVCのマッチングや、より大きな金額を扱える協調投資などの促進を狙う。
年10兆円の流入狙う政策
時を同じくして、東京都は有楽町駅前のSusHi Tech Square内に、国内外のスタートアップや起業家、支援者のための交流拠点「Tokyo Innovation Base」をプレオープンした。2024年5月から、支援プログラムやイベントなどの取り組みを本格化させる予定だ。都はこれらの活動を通じ、従前から掲げている「ユニコーン数10倍、起業数10倍、行政とスタートアップの協働プロジェクト10倍」というビジョンの達成を目指す。
加速する官民の動きは、政府が主導する「スタートアップ育成5カ年計画」に呼応するものだ。
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