スタートアップの成長には「不正対策」が不可欠だ 「エルピクセル事件」を教訓に、防止策の再考を

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だが元島氏は、「そもそも人の問題ではない。不正は仕組みや環境によって誰でも起こしうるものだ」と指摘する。創業期に管理部門に回せる人員やシステム投資は限られるが、「せめて不正を生みにくい文化は初期からつくっておきたい。経費の使い方が荒い人の部下は同じように荒くなる。上場直前になって体制を整備しようとしても、文化的な側面を後から変えるのは難しい」(元島氏)。

外部の目を頼るのも手

大型のシステム投資を必要としない対策もいくつか考えられる。共通するポイントとして、実務と権限を1人に集中させない、デジタルツールを活用して「隠せない」状況をつくっておくなどが挙げられる。組織が小さいうちは税理士やVCといった外部の目を頼るのも手だろう。

不正・不祥事の防止はもちろんだが、成長に向けて「透明で公正な経営判断を行うこと」もガバナンスの重要な側面だ。例えば米国のスタートアップでは、未上場・上場にかかわらず株主の提案などでCEOを交代することがよくある。一方日本ではそうしたケースはごくまれで、創業者が会社を率い続けることが多い。

会社はそのフェーズにより、最適な経営体制が刻々と変わる。「利益の最大化を図る気がないと見なされれば、とくに海外の投資家からは相手にされない」(前出とは別のVC関係者)。業界全体の注目度が増す今こそ問い直したい課題だ。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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